CAGEフレームワークに基づいた、海外就職しやすい条件 – 海外就職シリーズ(5)

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海外就職

海外で働く場合、その職場に適応するのが難しい場合と、比較的、容易な場合があります。日本と文化的に近い職場であれば、そうでない職場に比べて、働きやすいと言えるでしょう。働きやすい海外就職の条件を、経営理論に基づいて考察します。

シリーズ前回の記事は「行ってみないと分からない。海外就職で無視できないデメリット – 海外就職シリーズ(4)

海外進出の妨げになり得る4つの距離

経営理論では、多国籍企業に参入する際に、4つの距離を考慮しなければならないと教えます。私はここで、4つの距離を、個人が海外で働く場合にあてはめて、より普遍的に考察したいと思います。IESE ビジネススクールのパンガジ・ゲマワット教授は、CAGE フレームワークを提唱しました。

CAGEとは、文化(Culture)、制度(Administration)、地理(Geography)、経済(Economics)の頭文字をそれぞれ表しています。4つの観点で、2国を比較し、相似点が多ければ、海外進出は容易になると考えることができます。ここでは、日本と移り住む相手国との違いを比較し、それらが似ていれば海外就職も容易になると推定します。

文化の距離

文化の距離は、言語・生活習慣・宗教・歴史的関係性などが含まれます。日本は日本語という独自の文化を持っているので、どこに行くにしても文化的距離が開いてしまいます。歴史的関係性を考えると、アジア諸国やアメリカ、ブラジルなどは比較的、親和性が高いといえるでしょう。アフリカ等は文化的距離が開いているので、生活に苦労することでしょう。

制度の距離

制度の距離は、規制・税制・ビザ取得の優遇措置・労働制度などを含みます。優遇措置という点では、日本人にとってはドイツは移りやすい国です。通常、ビザは入国する前に自国で取得する必要がありますが、ドイツの場合はこの処理が簡素化されています。インドなどは法制度が複雑で、地方によって大きく異なったり、解雇要件が極めて厳しかったりと、独自色が強いといわれています。日本人がインドにいくと手続きの点で面食らうことが多くなるでしょう。

地理の距離

地理の距離は、物理的な距離、気候の違いなどが含まれます。高温多湿なアジア諸国は、時差も少ないので、移り住むストレスは少ないでしょう。寒さの厳しい北欧などは、日照時間も大きく異なるので、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。

経済の距離

経済の距離は、経済規模・平均所得・インフラなどが含まれます。日本は先進国ですので、同じ先進国に行けば、お店にいけば同じような商品を見つけることができますし、車や電車を使いこなすこともできます。一方で、発展途上国に行くと、単純な経済活動でも日本との違いを感じることがあります。例えば、中南米諸国では流しのタクシーにのってはいけないといわれます。誘拐されて所持金を脅し取られるからです。経済レベルの違いは、移住する際に重要な要素になります。

シリーズ次回の記事は「日本代表選手に学ぶ、海外でのビジネスに順応する方法 – 海外就職シリーズ(6)

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