海外就職をしようと思い立ったときに、何から始めればよいのでしょうか。まずは英語を勉強する。あるいは、ちゃらちゃらと旅行に出かけてみるという考え方もあります。
シリーズ前回の記事は「海外就職できるのはエリートだけ?海外で評価されるスキルとは– 海外就職ディスカッション(3)」
文化や雰囲気、就職動向など、現地でしか得られない情報は多い
私はとりあえず旅行から始めるのも悪くないと思います。地元の人の雰囲気や、人当たりの良さ、気候・食事といった面が分かるのは、現地に行ってこそです。そこで、本当に自分が海外就職したいのかを考えるのが良いのではないかと思います。
日本で得られる情報はごく一部です。現地の就職フェアに参加して、どのような業界、職種に需要があるかを見るのは重要だと思います。ベルリンはベンチャー企業が盛んだとか、バルセロナはモバイルが強いとか、業界の情報は、こちらに来てから知ることができるようになりました。
「何とかなる」と思える人が海外就職向き
オンライン生放送学習サービスSchoo(スクー)で「海外就職は本当に自身のキャリアアップに繋がるのか」の講義を行った際、海外就職の始めの一歩として望ましい考え方について議論を行いました。
自信が持てるまで英語の勉強を続けるか、とりあえず旅行する方が良いかを質問したところ、旅行から始めたいと考える人が圧倒的でした。旅行でその国の雰囲気を知り、興味や移住の必要性を感じれば、それが英語の学習意欲にもつながります。まず、住む場所を好きになり、それから必要なスキルを見つけるのも良いかもしれません。
たとえ数年海外に住んでいたとしても英語が完璧になるわけではありません。結局、英語学習には終わりがないので、英語が完璧になるまで勉強していては、いつまでたっても海外に行けません。初めのうちは、コミュニケーションの難しさを知り、泣きながら勉強を強いられるかもしれませんが、「何とかなる」と思える人が海外就職に向いているのでしょう。
世界で英語を話す人のうち、75%は非ネイティブ話者だという統計を紹介してくれた参加者の方がいました。ほとんどの人たちは完璧な英語で話しているわけではありません。コミュニケーションしたいという意思が何よりも大切です。
シリーズ次回の記事は「海外就職に必要なのは受験英語ではなく実用英語 – 海外就職ディスカッション(5)」