やはり海外就職で気になるのは英語だと思います。文法は得意ではないけれど、気持ちでコミュニケーションするタイプの人がいます。たくさんの英語教材に触れ、試験でも高得点を取れる人もいます。
シリーズ前回の記事は「海外就職の第一歩は何をすればよいか?– 海外就職ディスカッション(4)」
英語は実技科目!実用的に使った人だけが上達する
身振り手振りでもよいからコミュニケーションを取りたいという態度が全ての基本だと思います。TOEICの英語も、極めてゆっくり丁寧に発音された英語なので、実際の英語を耳にすると、どちらにしても難しさを感じてしまうと思います。
英語は試験科目ではなく、実技科目だと思います。体育や音楽のように、マニュアル本を読んでいても意味がなく、実際に使った人だけが上達するものです。初めから完璧を目指すのではなく、初めは旅行で必要なレベルから、徐々に、留学・就職へとステップアップするのがよいのではないかと思います。
英語の基礎を知っているのを前提として、コミュニケーションしたいと思う態度が重要
オンライン生放送学習サービスSchoo(スクー)で「海外就職は本当に自身のキャリアアップに繋がるのか」の講義を行った際、海外就職における英語のレベルについて議論を行いました。身振り手振りで何とか乗り切ったという成功体験を持っている人が少なからず見受けられました。英語は話せませんと正直に話すと丁寧に対応してくれる現地の方々もいたそうです。
TOEICはある程度の指標にはなっているものの、高得点をとったからといって会話が得意ではなく、試験問題と現実の乖離に悩む人もいると言われます。そもそもTOEICが網羅している単語のレベルでは、ビジネス英語の全てに対応しているわけでもありません。試験で点数の取れる英語よりも、伝わる英語が求められています。
必要以上の高得点は必要ないとはいえ、ある程度の素地がなければ、ビジネスの現場には通用しないという意見もあります。TOEICでほとんど点数がとれないレベルでは、海外に馴染むのに時間がかかってしまい、就職どころではなくなってしまいます。英語の基礎はやはり必要と言わざるを得ません。
ソフトバンクの孫正義さんが話す英語を分析したところ、ほとんどが中学で学ぶ英語だったという調査を紹介してくれた参加者の方がいました。実際のところ、基礎的な文法でさえ、リアルタイムの会話の中で使いこなすのは困難です。知っている単語を声に出して使えて、他の人が言ったときに正しく聞き取れるには相応の努力が必要になるでしょう。
シリーズ次回の記事は「生きがいさえあれば海外就職で給料が下がっても受け入れられるか?– 海外就職ディスカッション (6)」