海外就職を希望する人の中でも、その理由は様々です。サッカーなどの趣味やライフスタイル・過ごしやすさを中心に考える人がいます。一方で、仕事の志望動機から考えて、就職の戦略を練っていく人もいます。
シリーズ前回の記事は「スクー第一回出演「海外就職は本当に自身のキャリアアップに繋がるのか」の感想 – 海外就職ディスカッション (1)」
ライフスタイルを中心に人生設計する人は海外就職向き
私が通っていた学校の同級生や下級生を見てきた経験からは、趣味やライフスタイルをもとにキャリアを考えている人の方が海外に残っている人が多いと思います。仕事はあくまで生活全体の一部です。私は交換留学で4か月ほどアメリカに住んでいた経験があるのですが、サッカーが盛んではないアメリカでは、好きなサッカーの話をできる人がおらず、悲しい思いをしました。ドイツでは秋から冬の間全く、太陽が見られず、ずっと曇っているのでストレスを感じていました。仕事うんぬんよりも、生活環境のほうが大切なケースもあるのだと思います。
仕事を中心に選ぶ人は、会社からの駐在では良いのかもしれませんが、自分の意思で就職するには合っていないような印象を受けています。海外で安い給料で働くよりも、今まで通り日本で高い給料で働くのを選んでしまうのは、このような人たちだと思います。決して、成功・失敗の話ではなく、海外就職に価値を見出すかどうかの違いだと思っています。
ライフスタイルを軸に考え、仕事が後からついてくるのが理想的
オンライン生放送学習サービスSchoo(スクー)で「海外就職は本当に自身のキャリアアップに繋がるのか」の講義を行った際、移住先の決め方について議論を行いました。参加者からのコメントを見ると、ライフスタイルを優先する人と、成長産業に身を置きたいと考える人の割合はちょうど同じくらいだったように思います。
スポーツでも文化施設でも日本にないものを体験したいと考える人はライフスタイルを軸にキャリアアップを図ります。成長産業であれば日本でも見つかるので、せっかく海外に行くのであれば、仕事以外の楽しみを見つけたいという傾向があります。日本には存在しないものとの出会いが海外就職のモチベーションにつながるという意見も見られました。
一方で、仕事を軸に海外就職を考える人は、「まずは稼がないと遊べない」という現実的な意見を持っています。自分の成長を念頭に置く人は、それに合った環境が必要だからです。キャリアが浅い若手のうちは仕事を軸に考え、キャリアを積んでからはライフスタイルを中心に据えたいという戦略的な考えを持っている人もいました。
ライフスタイルを中心に考えた上で結果として仕事が付いてくるというのは理想的なのかもしれません。私の場合、バルセロナを選んだのは文化的な魅力が理由でした。仕事を見つけるまでに大きな苦労はありましたが、今では自分のスキルと合致したポジションで働くようになっています。好きだからこそ、頑張れる。頑張るから海外就職にも成功するという好循環を期待したいものです。
シリーズ次回の記事は「海外就職できるのはエリートだけ?海外で評価されるスキルとは– 海外就職ディスカッション(3)」