新しく課長や中間管理職に昇進したときに読む本5選


海外ベンチャーで中間管理職をしていますが、悩みに思うことは日本の課長と同じだと思います。部下や上司、一人一人と向き合うほどに、文化の差を超えて、個人の違いがはっきり見えてくるからです。たくさんの本から学びを得ましたので、おススメの本を紹介していきたいと思います。

ハイアウトプット マネジメント(人を育て、成果を最大にするマネジメント)

組織の管理について古典的な名著を一冊選ぶとすれば、インテル元CEOのアンディ・グローブが書き下ろした、この本となるでしょう。1984年に書かれたものが2017年に日本語に翻訳されたのですが、その内容は全く色あせるものではありません。第一章は生産管理の考え方から始まりますが、自分の業界に置き換えて考えてみると、よく理解できます。てこの原理の如く、組織が最大の成果を発揮できるようにするといった考え方や、タイムマネジメント・ミーティングの仕方など、実践的な手法が紹介されています。米国の経営者が書いた本でありながら、日本の中間管理職にも通用すると思います。

駆け出しマネジャーの成長論 7つの挑戦課題を「科学」する

組織管理に関する最新の研究を踏まえて、現場で起こる管理職の課題を解説する良書です。現場から上がった声がところどころで紹介されているため、説得力があります。「科学」すると謳っている通り、再現性の高い事象が並びます。突然マネジャーになる、プレイヤーかつマネジャーでもある、構成員が多様化する、仕事が煩雑化する、マネジャーが若年化する、といった課題は最近の管理職の方々は皆、経験しているのではないでしょうか。プレイヤーからマネジャーへと変化する必要を感じている人には、おススメです。

新版 はじめての課長の教科書

課長ブームの先駆けとなったと言われる2008年に刊行された本です。褒めるときは皆の前で、叱るときは一対一で、といった基本的な手法は漏れなく紹介されています。課長と部長の違い、課長と経営者の違いは何だと思いますか?ユニークな視点で、課長に必要なスキルと課題、キャリア戦略について論点が整理されています。活躍する課長が備えるべき機能として、社内外との連携、組織力の強化といった点が指摘されているところが面白いと思いました。

ヤフーの1on1―部下を成長させるコミュニケーションの技法

前述の「ハイアウトプットマネジメント」でも指摘されていますが、上司と部下が1対1で対話して、部下の成長意欲や問題意識を引き上げるのは、管理職の大きな仕事となっています。ヤフーでは、この1on1(ワン・オン・ワン)ミーティングを導入し、素早い成長を遂げたとされます。人事を担当していた著者が、この手法を大企業であるヤフーに導入した経験を解説しています。

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと

2006年に刊行されたリーダー論・マネジャー論の名著です。具体的な例を使ってリーダーとマネジャーの違いを指摘しているので、現場においても、上司や自分自身のリーダーシップ・スタイルを整理するのに役立ちます。リーダーは「よりよい未来に向けて人々を一致団結させる」のを役割とするのに対し、マネジャーは「部下一人ひとりの特色を発見し、それを有効に活用する」のを目指します。さらに、最近では「良いリーダーはマネージし、良いマネージャーはリードする」とも言われます。状況に応じて二つの役割を意識するのが、あるべき姿なのかもしれません。

まとめ

中間管理職は、プレイヤーからマネジャーへと移行する微妙な時期です。これまでの自分を否定し、意識を変えていく必要があるため、多くの人にとって壁にぶち当たる可能性があります。先人の経験に学び、また、自分に合った組織管理の仕方を身に付けていくと良いでしょう。

 

 

佐藤 隆之

海外MBAを取得したITエンジニアが、経営・情報技術・社会的インパクトについて解説します。バルセロナの医療ITベンチャーの技術管理担当。Webメディアにてコラム連載中。