海外で就職活動してみて分かった仕事の探し方と履歴書・面接に準備するためのポイント

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海外就職

海外ベンチャーでの就職活動は日本の大企業と、どう違うのでしょうか。私はどちらも経験した上で、共通点・相違点とそれぞれ存在するように感じました。現在は海外ベンチャーで面接官として対応するときもあります。仕事探しから書類や面接を、どのように準備すればよいか、まとめたいと思います。

求人サイトやLinkedInでの仕事探しが一般的。手書きの履歴書はなし!

ベンチャー企業ではオンラインの求人サイトでの募集が多く見られます。例えば、Angellistは投資家と起業家を結びつけるプラットフォームですが、無料で膨大な数の企業へのアクセスが可能です。その他にも、都市ごと・国ごとに求人サイトが増えています。

LinkedInはプロフェッショナル向けのSNSとして一般的です。自分の経歴・職歴やアピールポイントを記載しておくと、いちいち履歴書を書き直さなくても、ワンクリックで応募できる機能があります。あるいは、企業の求人管理サイトへ遷移し、履歴書の内容を入力するか、PDFファイルで履歴書を送付します。カバーレターと呼ばれる一枚もので、応募動機やスキルを記載し、提出する場合もあります。

就職を希望する現地にいる場合は、LinkedInを通してリクルーターから直接コンタクトされるケースもあります。プレミアム会員になっていると、目立つところに表示されるようなので、声がかかる確率が高まります。

ちなみに、手書きの履歴書が必要かという議論は聞いたことさえなく、自分の経験では、全て電子ファイルで処理されています。既に企業では、PDFの履歴書を分析し、企業にマッチしているかどうかを自動的に算出する仕組みが導入されてきました。今後、人工知能の高度な技術で、その精度が向上していく流れは明らかです。

ポテンシャル採用は忘れよう。求める条件と持っているスキルの合致が重要

書類が通ると、電話面接が続くケースが一般的です。人事部門の担当者と15分程度の簡単な会話の後に、次の面接がセットされるケースもあります。突然電話がかかってくる場合は少なく、メールで電話する日時を計画します。

ベンチャー企業の場合、将来、一緒に働く同僚や上司となる人が面接官となります。SkypeやZoom、Apper.inといったWeb会議で面接されるのも普通です。自分の経験では、ベンチャー企業は全てWeb会議から始まっています。はじめからオフィスに呼ばれて対面の面接を行うのは大企業のみでした。

仕事を選ぶ上では、日本の感覚ではどうしても「ポテンシャル採用」の意識が抜けない点が、海外就職を難しくしてしまうと思いました。海外では、経験が重視されます。プログラミングを大学で学んでいた人がエンジニアとして採用されるのが通常であり、いわゆる文系SEのような経済を学んでいた人がエンジニアになる例は稀です。この感覚の違いは、自分が体験してみるまで分からないものでした。

経験が重視されるのであれば、始めのキャリアが極めて難しいものになります。海外では、学生の頃から、勉強している内容に合わせて企業でインターンを行い、その経験を正社員での仕事につなげていきます。インターンでは採用条件が悪くても、時間をかけて自分の希望する条件を目指していくのです。自分の会社に来ているインターン生は、卒業論文にするプロジェクトをベンチャー企業で実施していました。海外の企業では、学校と企業の関係がより近いものなのかもしれません。

日本では採用スケジュールの廃止やインターンの在り方が長らく議論されています。海外でのインターンを見ていると、始めから自分のスキルを活かし、また、企業が求めるものとスキル・興味のギャップを埋めながら就職活動や学業を続けられます。学生の負担は増えるかもしれませんが、企業も学生も満足度が得られるやり方ではないかと思います。

次章では、人事を担当していた同僚がまとめた、ベンチャー企業への応募、及び準備の仕方について紹介します。

履歴書を書く前に考えるべき注意事項

まず、ベンチャー企業の文化とは、自分の力で失敗から学ぶものです。同僚はあなたを助けてくれますが、実際、みんな忙しくしており、自分自身と向き合う時間が大切になっていきます。挑戦し、学び、自分の力で解決策を見出すのです。この活動が、あなたにとって大きなチャンスとなり、人として、あるいはプロとしての成長を促します。

誰もが大企業の世界とベンチャー企業の世界は異なると言います。どちらかの環境でしか働いた経験がない人は、それを信じていないかもしれません。ベンチャー企業はとてもダイナミックで、変化に富んでいます。そのため常に、変化への適応や同僚との連携が必要とされます。あなた自身がこの環境に合っていないと思うのならば、ベンチャー企業はあなたにとって良い環境ではないのかもしれません。

企業に応募するときは、本当に興味がある時だけ応募するようにしてください。企業からすると、その興味の程は、書類から透けて見えてしまうものです。あなたが会社にフィットしていると感じるならば、挑戦の時です。しかし、その前に、以下の準備事項について考えてみてほしいと思います。

少なくとも企業が探している7割から8割のスキルセットについて、自分が当てはまっている点を確認してください。これはほとんど多くの会社で同じ意見を持っていると思います。多くのベンチャー企業は、あなたに研修を提供して、スキル向上を図る時間はありません。入社初日から企業に貢献できないのであれば、面接までたどり着くことは難しいでしょう。

応募条件に従って応募書類を準備してください。例えば、企業が現地の言葉で応募条件を公開しているのであれば、履歴書をその言語に翻訳してから応募するのです。多くの応募者が指示に従っている中、指示に従っていない応募者にチャンスを与えるのはフェアではありません。また、何年以上の経験が必要だとか、どの業界の経験が必要だという 指示 がある場合、その条件を満たしている必要があります。

そのポジションを求人サイトに投稿している人や、面接の連絡をしてくる担当者と良い関係を築きましょう。そのチームや企業に参加したいという意欲を示すのです。メールの文面を丁寧にし、タイムリーな連絡を心がけます。この応募者は感じが良いと思ってくれれば他の人よりも一歩先に進んでいると言えます。

90年代に作られたような履歴書を送らないようにしてください。履歴書の内容を更新し、現代的なデザインを適用します。革新的なベンチャー企業に応募しているのですから、その企業文化に合うような人物である旨を常に証明するようにしてください。

エントリーシートやスキルを証明するテストなどがある場合、期限までにそれを終わらせて、質の高い回答をするようにしてください。そうでなければ次のステージには進めません。

書類が通過し、面接が決まったら、次に何を準備すればよいか

もし書類選考を通過して面接までたどり着いたのならば素晴らしいことです。次は面接官たちを良い意味で驚かせる番です。

まず、ハイテク企業に応募しているとしましょう。面接がSkype等のWeb会議システムで行われるケースが多くあるため、自分自身でそれに接続する方法を解決する必要があります。もし時間通りに接続ができず、面接がすぐに始められないなら、評価が下がってしまう恐れがあります。面接官は些細な行動で評価を変えないよう心がけていますが、心証が悪くなってしまうのは避けられないものです。

また、面接に行く前に以下の注意点について考えてみましょう

企業や製品について公開されている事項はすべて理解しておくようにしましょう。面接の最中に Web ページを読み上げるような人もいますが、面接官はそれを簡単に見抜いてしまいます。企業の実績や、大きなニュース、チームの構成について理解し、その事について会話ができるようにしておきます。

面接では、自然に自分のままでいるようにしましょう。面接官は本当のあなたを理解したいと思っています。文化や個人の性格が合致している点は、小さな企業では極めて重要です。あなたは「家族」の一員になるからです。

誰がインタビューを行うのか理解しておきます。将来の同僚なのか、管理職なのか、経営層なのか。現場の人は実務的なスキルに興味があるのに対し、上位の担当者は行動パターンについて質問してくるかもしれません。もし、面接の前に相手が分からなければ、担当者に質問しても構いません。可能であれば、面接官を LinkedIn で検索し、職歴・学歴を確認します。共通点を見つけ、面接の最中にポジティブな雰囲気を作り上げるきっかけとします。あなた自身が面接官に興味を持ち、就職してからどのように一緒に時間を過ごすかについて想像してみましょう。

具体的な質問を企業について行うようにしましょう。また、面接官の経験や、面接官が企業について好きな点・嫌いな点について聞いてみるのも良いでしょう。そして、面接官の意見と自分自身の答えと結びつけてみると、あなたがその企業にフィットしている証明となるものです。

その企業に対して、どのように貢献できるのか、どのような価値をもたらせるのかについて具体的な答えを用意しておきましょう。必ず聞かれる質問です。ベンチャー企業は、より多くの売り上げを得て、 顧客を獲得し、評判を高めたいと考えています。たとえあなたが営業員でなくても、その目的をどのように達成できるかについて考えておきます。

多くのベンチャー企業は社会に大きなインパクトを残すという目的を持っています。そのビジョンになぜ共感するのかについて考えておきます。また、面接官は、その企業のやり方をどう改善できるかについて質問してくるかもしれません。

最後に120%の力を出して、面接官があなた自身を高く評価するよう努力しましょう。ベンチャー企業では120%の力で努力することが求められるからです。

もし面接まで辿り着けず、面接で上手くいかなかったとしても、望みを捨てないようにしましょう。単に、その企業は他の候補者との相性が良かったのかもしれません。他の候補者がより多くの経験を持っていたのかもしれませんし、企業が考えを変えて全く別の経験を求めたのかもしれません。

採用は相性とタイミングが重要です。日本のような新卒一括採用でない場合、同じスキルを持った人でもタイミングが異なれば採用になったり、ならなかったりするのも自然な話です。

まとめ

海外と一口にいっても、それぞれの国や都市で事情が異なります。業界や企業規模によっても事情は異なるでしょう。上記に記載したのは、極めて一般的なものでありながら、多くの人が守れていない現実でもあります。応募条件に合致していないのに、もしチャンスがあればと軽い気持ちで応募してしまう人が多いのです。応募者にも企業にも、時間の無駄になるだけで、意味のない行為です。お互いがより良い時間を過ごすため、就職活動への真摯な取り組みが求められているのです。

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