【私はこうしてカルチャーショックを乗り越えた】責任転嫁してくる外国人にどう対応するか

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海外就職

海外で働いていると、日本とのコミュニケーション習慣の違いに驚かされることが多々ありました。私はドイツで1年、スペインで3年以上働いていますが、慣れてきたところ、諦めてしまったところと様々あります。そんな中、最近公開された、元サッカー日本代表・酒井高徳選手のインタビュー動画の中に、とても共感できるポイントがありました。ドイツで8年間にわたり、第一線で活躍してきた彼のコミュニケーションのコツが含まれています。


ドイツでのコミュニケーションについて6分10秒頃から

 

「和を以て貴しとなす」文化が通じない環境でどう振る舞うか

酒井選手は、ドイツに渡ってすぐの頃、周りの選手に意見されたときに、「悪かった。ごめん」といつも下手に回っていたと話します。そうすると、自分のせいにされたくないチームメイトが、酒井選手のせいではなくても、責任をなすりつけるようになってしまいました。そこで、ドイツ語を習得し、また、「俺のせいじゃない」と言い返せる精神力を身に付けたといいます。

私が企業で働いている場合、そこまで多いわけではありませんが、やはり日本に比べると、責任をなすりつける人も多いのかなと感じています。例えば、メールや電話をして頼み事をしたとして、期限までに遂行してくれなかったとします。その時によくある反応は、「分かるように繰り返し連絡しなかったから、そっちのせいだ」という責任転嫁です。

日本では9割がた返信されていたメールも、3割くらいしか返ってこないような印象があります。相手が動くまで、理解できるまで、根気よくアピールし続けなければならないのは欧州で学んだ部分です。日本では、頼み事に対して多くの人が協力的です。やりにくい人もいるなと思っているかもしれませんが、和を以て貴しとなす文化は特徴的だと思います。

 

言い返すだけでは何も生まれない。相手の話を聞き、自分も主張する対話技術が必要

酒井選手のインタビューの面白い点は、「俺のせいじゃない」と言い返すところから、一歩進んで、言い方を工夫した点です。ぶつかり合うのではなく、「俺はこうしてもらった方が良かったけど、お前からしたらどうなんだ」と質問するようにしたと語ります。その結果、お互いの意見が交換できるようになり、信頼を獲得し、責任をなすりつけられるようなケースもなくなったそうです。さらに、自分が発言したときに周囲が聞いてくれるようになるという効果も感じています。このようなコミュニケーションのスキルがあったからこそ、外国人ながらドイツのチームで主将を任されるようになったのでしょう。

実務の中でも、欧州の人は必要以上に、対案を示すコミュニケーションが染みついてしまっているように思います。相手の案に対し、反射的にNoで返し、対案を示すような態度を示す人が少なからずいる印象です。そのため、始めにこちらの意見を言ってしまうと、対立構造を生んでしまい、生産的な時間を過ごせません。

以前に同僚と共にコミュニケーション研修を受けた際に、「No」や「But」を使わないで相手とは異なる意見を主張するというトレーニングがありました。いわゆるアサーティブ・コミュニケーションです。「あなたの言っている点は理解するし、さらに、私はこう思います」というような「Yes」「And」を使う論法が求められました。そうすると、同僚は驚くほど全くできず、皆「No」を言ってしまいました。対案を主張したいのだから、そうせざるを得ないという考え方でした。

私は日本にいるときよりも「どう思う」というようなオープン・クエスチョンを多く使うようになった気がします。日本人はNoと言うのを極力避け、対立を避けるよう、共通点を探るようなコミュニケーションに慣れていると思います。

 

まとめ

もちろん、個人を見ていけば、日本だろうが欧州だろうが、コミュニケーションにおいて言い回し一つで大きく印象が異なるのは変わりません。しかし、海外では日本では考えられないほど、クセが強い人たちがいるものです。

カルチャーショックを感じるほど強気に出てくる外国人に対抗する第一ステップは、日本だったらしないくらいの反論でした。反論しようと心がけると、それが行き過ぎになるケースがあります。第二ステップは、自分の意見を言いつつ、相手に気持ちよく話してもらう対話技術の習得でした。

海外で生活すると必ずカルチャーショックを感じてしまいますが、それを乗り越えた先には、異文化を学びつつ、新たなアイデアや大きな成果を得られる可能性が待っているのかもしれません。

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