プロトタイプからロードマップまで、プロダクトマネジメントに必要なツールの完全ガイド

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CTOの視点

プロダクトマネジメントは幅広い活動が含まれます。製品のロードマップや仕様を定義し、関係各所と認識をすり合わせるよう、情報共有を促進するのはプロダクトマネージャーの責任です。プロダクトマネジメントの仕事を支援するよう、様々なツールが開発されてきました。「正しいものを正しく作る」ため、効率的かつ効果的なプロダクトマネジメントを行えるよう、最先端のツールを賢く利用するようにしましょう。

プロトタイプ:Figmaを始め、多人数での共同作業に適したクラウド型が人気

製品を実装する前に、ラフな絵を作成して、その完成イメージを共有する作業は頻繁に採用されます。営業・マーケティング部門は、ユーザーからニーズがある機能が含まれるか確認し、また、開発チームは実装にかかる時間や労力が見積もれます。手書きの画像でも構いませんが、近年はワイヤーフレームと呼ばれるツールを使って、簡単な枠線を描き、製品イメージを作成します。ボタン遷移などの挙動も確認し、ユーザーから見た使い勝手を確かめます。ちなみに、ExcelやPowerPointでワイヤーフレームを作成する企業も見受けられますが、多人数の開発の場合、バージョン管理や情報共有が困難になるため、利用は推奨されません。

近年は、クラウド型のプロトタイプ・ツールが提供されるようになり、多人数の開発でも、リアルタイムで最新のバージョンが確認できるようになりました。中でも、Figmaはリーダー的な存在で、複数人でのデザイン作業に向いています。

Macユーザーの間では、Sketchの人気も高いようです。直感的な操作性がデザイナーから評価されています。

より高機能なサービスを希望する人は、以下のようなものも試してみると良いでしょう。多くのサービスでは、無料体験を用意しているので、リスク無しでその使い勝手が確認できます。

Adobe XD. XUI/UX.をデザイン、プロトタイピング、共有

ロードマップ:プロダクトマネージャーの重要な責務を、効率化するツール群

プロダクトマネージャーにとって、製品開発のロードマップを作成するのは、最も重要な仕事の一つです。戦略的に計画を立て、どのような順番で何に資源を投入するのかを明確にし、企業にとってどんな成果がもたらされるのかを経営層や関係各所に伝達します。中長期的な視点でロードマップを作成するのがポイントであり、短期的なリリース管理は「プロジェクト」マネージャーの責任となるのが一般的です。

ロードマップはExcelで作ろうと思えば作れるものですが、長い期間、整合性をとれるようにメンテナンスし続けるのは難しいという課題があります。クラウド型のロードマップ作成ツールであれば、直感的な機能で、プロダクトマネージャーの負担を軽減してくれます。

世界的に人気なツールとしてAha!が知られています。後述するタスク管理ツールとの連携が充実しており、要件を優先順位付けして開発チームに伝達するのに容易となります。

大手企業から採用されているProductPlanも使いやすい機能で人気です。同社のブログやメールマガジンは、プロダクトマネジメントに関する情報が充実しており、とても参考になります。

その他にも、ロードマップを含めたプロダクトマネジメントツールは多数存在します。「プロジェクト管理」ツールでも、同様の機能が含まれるため、競争が激しい分野と言えます。多くのツールは大企業向けの有料プランになっているので、採用には慎重な判断が求められるかもしれません。

ユーザーの行動に関する仮説検証に焦点を当て、プロダクト開発を支援するGuildHubが開発されています。ベータ版ですが、その独自のアプローチで、プロダクトマネジメントの高度化を推進していくことが期待されます。

タスク管理:開発者の作業管理・コード管理との連携が肝

製品の仕様は、優先順位と共に、開発チームへと伝達されます。実装するべき機能の一覧は「バックログ」と呼ばれ、プロダクト開発に関わる人が共有するべきものです。アジャイル開発を採用している場合、バックログから2週間程度の開発期間である「スプリント」や製品リリースごとに実装するべき要件を、シームレスに管理できる機能が求められています。

世界的にはJIRAとGithubを採用している企業が多く見られます。JIRAは開発者向けのツールが多数用意されているため、一つのライセンスで多くの作業が網羅できます。Githubはオープンソース向けに使われているケースが多く、使用に慣れた開発者も多く存在します。マイクロソフトによる買収でも話題になりました。

日本ではBacklogの人気も高く、利用している企業も多く見受けられます。

タスク管理、ファイル共有もできるプロジェクト管理ツールBacklog

アジャイル開発を徹底する企業では、PivotalTrackerもが採用されています。

タスク管理だけではなく、幅広いプロジェクト管理に使えるAsanaも有名です。そのユーザー体験の高さが特徴と言えます。

カンバン形式のタスク管理が簡単に行えるTrelloも有名なツールです。直感的に使えるのが利点ですが、開発に関わる人数が増え、プロセスが複雑化すると、対応が困難になり、上記の本格的なツールが必要になる印象があります。

フィードバック:Webサイトやアプリを利用するユーザーの行動を分析する

製品をリリースしたら、ユーザーの行動を分析し、問題を特定したり、さらなる機能改善の契機にしたりするのも、プロダクトマネージャーの重要な仕事です。Webサイトやモバイルアプリであれば、どのユーザーが何のボタンをクリックしたか、という情報を確認できるため、詳細なユーザーの行動が分析対象となるのです。また、ヒートマップと呼ばれる技術で、ユーザーが閲覧またはクリックした領域を、色分けする手法もあります。

近年は、セッション・リプレイという方法を使い、ユーザーが閲覧している画面を録画してしまう場合もあります。これまではユーザーがパソコンを使っている背後に立って、使い勝手を確認しなければならなかった作業がオンラインで行えるようになっています。

ユーザーの行動を確認するツールとしては、Hotjar、Heap、Fullstoryといったものが知られています。Googleアナリティクスでも十分に対応できるかもしれませんが、さらなる高機能を求める人は、下記のようなツールの利用を検討すると良いでしょう。

まとめ

プロダクトマネジメントの仕事は多岐にわたるため、それに関連するツールも多くのものが提供されています。はじめから全てのサービスに登録すると高額になってしまうので、自社の開発プロセスが成熟するに従い、少しずつ導入していく方法が推奨されます。本記事では、プロトタイプ、ロードマップ、タスク管理、フィードバックと分けて解説しましたが、これらの垣根が小さくなってきている傾向も見られます。多くの機能が一つになると、情報連携が容易になる一方で、各ステップで使いたい機能が利用できないという可能性もあります。ツールの最新情報を確認し、自社にとって最適なものを選択したいものです。

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テクノロジーの聖地シリコンバレーからPMの仕事や魅力とキャリアの可能性を、在住13年以上、現在米系スタートアップで働く現役Principal Product Managerが具体的事例をもとに紐解きます。

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