海外就職におけるキャリア論。分析主義から経験主義への変化が求められる

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海外就職

海外企業で5年近く働く中で、どのようにキャリアを築くべきか、よく頭を使うようになりました。日本では終身雇用の終わりが叫ばれていますが、海外では、それに先駆けて柔軟なキャリアが前提となっています。

海外企業で働くということ〜多文化力・グローバル力とは?をテーマに、日本時間2019年12月20日(金)にオンライントークイベントが行われ、スピーカーとして登壇しました。その中の一つのトピックとして、海外で働きたいと感じる若者へのメッセージが取り上げられています。

「ゆるくはじめる」ことで、柔軟にキャリアを築き、働きがいの4要素を徐々に確認する

自分は、海外で働くことへの興味がありながら、自分の周囲にそういった経験を持つ人がいなかったため、どのように進めていけばよいのか、全く分かりませんでした。中学・高校・大学・就職と、日本に留まる結果となりました。留学した後でも、先輩方は日本に帰る人が多かったので、海外就職について質問できる人は多くなかったのです。だからこそ、海外で働くようになった今、海外就職に興味がある人の支援をしたいと考えています。

私は「ゆるくはじめる」というメッセージを届けたいと思いました。海外就職に向かう人は、住み心地はどうか、仕事は得られるか、ビザは得られるか等、様々な不安があると思います。その場合、少しずつ、自分に合っているかどうかを確認していけば良いと考えます。

生きがい、働きがいを見つけるには4つの要素があると言われます。好きなこと、得意なこと、稼げること、社会が求めることの4要素の重なるところに、働きがいがあるのです。好きなこととは、サービス受益者として好きでも、やってみると好きでなかったという場合があります。また、得意なことを見つけるのはもっと難しいものです。必死に頑張っているものは苦手で、簡単に人より上手くできるのが得意、と言うケースがあるからです。

稼げることは、市場原理によるので、自分の意思だけでは決められません。他の人ができないこと、やりたくないことは、人材に対する供給が少なく、需要が高いので、高い報酬につながりやすいものです。さらに、社会が求めることを追求できれば、言うことがありません。

終身雇用の時代では、新卒採用のときに自己分析をして、何が好きか、何が得意かを考えたあとは、一つの会社の中で、働きがいを見出してきました。しかし、終身雇用が終わった日本や、海外では、働きがいを見つけるのは個人の責任であり、一人のキャリア全体を通じて行うべきものです。

何が好き・得意・稼げるのかを反復的に検証していくのが推奨されるキャリア戦略だと思います。海外に住んでみたけど、合わなかったというのも悪くないものです。成功・失敗といった単純な見方ではなく、反復的な検証プロセスと考えてキャリアを築いていきます。

分析主義のキャリア論から、経験主義に基づいたキャリア論へ

私がキャリア理論に反復検証を持ち込んだのは、IT業界の流れに影響を受けています。ソフトウェア開発の方法論は、何を作るのかをあらかじめ定めて水が上から下へ流れるように仕様から開発・テストまで順に進めるウォーターフォール理論が使われていました。しかし、近年は、誰がユーザーで何の機能が必要かが分からない環境では、反復的に開発を行って、繰り返し検証を行うアジャイル開発へと移ってきています。

この流れが、終身雇用の終わりに似ているように思いました。未来が読みやすいウォーターフォールのような環境から、自分の好みもビジネスの状況もうつろっていくアジャイルな環境へと変わってきているのです。

エンジニアリング組織論への招待」でも議論されていますが、ウォーターフォールからアジャイルへの移行は、分析主義から経験主義への変化と考えられます。分析主義は、理論的に分析すれば、物事が理解できるという前提にあり、方程式で表現できるような物理法則に適用されるものです。経験主義は、やってみなければ分からないという複雑な事象への方法論です。

自分が何をやりたいか、海外で働けるかというキャリア戦略は、分析主義よりも経験主義の方が合致していると思います。

海外は居心地の悪さを感じることばかり。だからこそ、成長の機会には事欠かない

IBMのCEOジニー・ロメッティは伝統的な企業でキャリアを築く女性として、興味深い話をしていました。「成長と居心地の良さは共存しない」。成長しようと思えば、心地よい環境(コンフォートゾーン)を飛び出して、自分のスキルを伸ばしてくれる環境へと向かっていく必要があります。

海外で働くのは、居心地の悪さばかりを感じます。しかし、それは成長のきっかけでもあるものです。日本では考えられなかった前提を理解し、新たな価値観に適応していくプロセスは、苦労も多いですが、成長をもたらしてくれます。

トークイベントでは栗崎由子さんが「イカロスの翼」というメッセージを送られていました。「人間は自分が思っているより自由なんだ」という例えであり、神にさえ縛られないと主張します。海外で働きたいのであれば、自分で自分に制限をつけないで、まず行動をしてほしいと、話されています。

Googleマップを眺めるのでも、二泊三日の海外旅行に行くのでも構いません。今すぐリュックを背負って海外に飛び出すのが、重要な態度なのだと思います。

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