Shopifyは世界最大規模のECサイト開発・運営プラットフォームとして、100万社以上に採用されるまでに成長しました。しかし、日本では本格的に展開され始めたのが2018年ということもあり、Shopifyでどこまでできるのか、日本市場に対応しているのかと疑問を抱く企業もあるかもしれません。本記事では、大企業から中小企業まで、日本と海外でShopifyを採用しているECサイトを紹介します。
フェイクフードジャパン
食品サンプルは、飲食店のメニューはもちろん、海外観光客のお土産としても人気を集めています。2012年に大阪で設立されたフェイクフードジャパンは、米国生まれのハナス・ジャスティン氏によって運営されてきました。同社のWebサイトはShopifyで作成され、日本語と英語の両方のサイトが作成されています。PayPalを始め、各種クレジットカードが使用可能な点など、Shopifyの便利な点が垣間見れます。
高岡屋
京都で座布団を製造し、100年もの歴史を持つ高岡屋は、ShopifyでECサイトを作成し、海外向けの販売を始めました。シンプルで洗練されたサイト・デザインは、海外のお客様でも簡単に利用可能で、また、Apple Pay、Google Pay等での決済が利便性を高めています。老舗の店舗でも海外へチャンスを見出すのは、日本の成長戦略として良い例ではないでしょうか。
ワインボックス
ワインの定期購入サービスを提供するワインボックス社は、ShopifyでWebサイトを構築しています。物販だけではなく、定期購入サービスでもShopifyは構築が容易になる点を示しているのではないでしょうか。また、ギフトカードを適用するページもあり、Shopifyの販売促進機能を活用していると思われます。
山本山
海苔やお茶で有名な山本山は、米国向けのECサイトをShopifyで展開しています。日本の風習や、お茶のいれ方を解説するブログが統合されているため、日本文化に興味のあるアメリカ人にも分かりやすいコンテンツが提供されています。
A BATHING APE(ア・ベイシング・エイプ)
原宿発のファッションブランドであるA BATHING APEは、オリジナルアイテム等を扱うECサイトとして、「A BATHING APE PIRATE STORE」を開設しました。同じ商品でも、色やサイズでバリエーションが異なるアパレルECは、Shopifyの商品管理機能を使えば、簡単に商品情報の管理が行えるようになります。
Maille Mustard(ユニリーバ)
270年の歴史を持つ、フランス生まれのマスタードMailleは、消費財メーカーであるユニリーバの傘下として商品の販売を行っています。マスタード並びに、バルサミコ酢やオイルなどを取り扱うECサイトは、Shopifyで作成され、米国・欧州と国際的に展開しています。歴史を感じさせる重厚なサイトデザインが印象的です。商品によっては、期間限定の値引きが設定されており、Shopifyで実現できる柔軟な価格戦略が理解できます。
C by GE (ゼネラル・エレクトリック)
米国を本拠とする世界的な電機メーカーであるGEは、スマート照明に特化したECサイトをShopifyで作成しています。スマート照明は、モバイルアプリやGoogleアシスタントから無線接続して操作可能にした照明機器を指します。GEはこの新商品について、消費者に情報を提供し、また、フィードバックを受けながら、商品の認知を高め、売り上げにつなげようとしています。完成度の高いコンテンツ並びにサイトデザインであり、Shopifyが大企業の要件にも応えられる実績を示しています。
K-Swiss
世界中で人気を集めるシューズブランドK-Swissは、ShopifyによるECサイトで国際的な販売を行っています。Shopify社の解説によると、大規模EC向けプランであるShopify Plusを活用し、サイトデザインのカスタマイズやERPシステムとの連携を実施したとされます。多言語・多通貨を用いる難易度の高い案件でありながら、わずか5週間でサービス開始が実現されました。ベストプラクティスがあらかじめ考慮されているクラウド型のShopifyならではの、素早い開発だったのではないでしょうか。
18 Karat Wholesale
18 Karat Wholesaleはインテリア製品を製造するブランドです。興味深いところは、消費者向けのECサイトとは別に、卸売り部門がB2BのECサイトを運営している点でしょう。卸売り部門から商品を買いたい業者は、別途アカウントを作成し、大量購入による割引きなどが受けられるようになります。B2B向けにも対応できるShopifyの良い例と言えます。
Hardgraft
Hardgraftはハイエンド向けの高品質なデザイン商品を製造・販売しています。ECサイトもそのコンセプトに合わせ、洗練されたサイトデザインになっています。独自のテーマを適用し、Shopifyの拡張性を示しているのではないでしょうか。また、国際的な配送も可能になっているのは、Shopifyの配送管理が機能している証しなのかもしれません。
まとめ
Shopifyは大企業から個人事業主まで幅広く採用されるECプラットフォームです。カナダ発という経緯もあり、北米ではかなり浸透してきている印象があります。日本でも、驚いたことに老舗企業が採用している例が多く見られました。サイトデザインから商品管理・配送管理など、豊富な機能がShopifyの魅力です。今後は、日本国内の事例もより増えていくのではないでしょうか。