スキルの面から考えて、海外就職に向いているのは、どのような人でしょうか。自分なんて取り立てて取り柄もないし、外国人として働くなんて難しいと自己評価をしている人がいます。自分は誰にも負けない経験をしてきたと自負している人もいるでしょう。
シリーズ前回の記事は「海外就職の移住先を決めるために優先して考えるべきこと – 海外就職ディスカッション (2)」
日本では平凡だと思っていても、海外では評価されるスキルや行動習慣がある
個人的には、スキルの面で自信がない人も、自慢できるスキルがある人も、戦略次第では海外で働けるチャンスはあるのではないかと考えています。取り立てて取り柄がないと思っていても、海外に行けば、賞賛されるものはたくさんあります。例えば、納期を守るという習慣。小学校一年生からたくさんの宿題をこなしてきた日本人は、他の文化の人と比べて、人が見ていないところでも黙々と仕事を進めるのが得意なのだと思います。
欧米の人を見ていると、経験のある人でも、そんなの聞いてないだとか、他にも優先でやることがあるとかいって、なかなかやってくれないものです。平凡だと自己評価している人こそ、海外で自分の強み・弱みを見直しと良いと思います。
また、特技がある人は、当然、評価されます。海外の就職では、これからやりたい仕事ではなく、過去にやってきた実績で評価されます。そのため、実績は何よりも大きな武器になると思います。
強みや弱みは相対的なもの。環境が変われば人材に対する評価も大きく変わる
オンライン生放送学習サービスSchoo(スクー)で「海外就職は本当に自身のキャリアアップに繋がるのか」の講義を行った際、海外就職とスキルについて議論を行いました。参加者からのコメントを見ると、自己主張が強くないと生きていないのではないかと考え、スキルに自信がある人が海外就職に向いていると思う方々が多く見られました。
海外では、日本人の感覚では若干誇張だと思えるような場合でも、自信を持って自分を売り込まないと就職につながらないという意見があります。実績と照らし合わせ、企業と交渉ができるからです。
しかし、国内で自信があったとしても、それが海外で通用するとも限りません。日本固有の文化に最適化された行動習慣を海外に持って行っても、それが成果につながらない可能性もあるでしょう。例えば、「空気を読む」習慣は日本企業で評価されるのに好意的ですが、海外では言葉にしなければ伝わらない文化を持つ国が多くあります。強みや弱みは相対的なものであり、環境によって決まる部分があるのです。
このように考えると、日本ではスキルに自信がないと考えている人でも、海外では高く評価されるというケースも存在すると考えるのが自然でしょう。特に、物事に一所懸命取り組んで、きっちり仕事を完遂できる人は、海外で高く評価されるかもしれません。
シリーズ次回の記事は「海外就職の第一歩は何をすればよいか?– 海外就職ディスカッション(4)」