Facebookが広告品質の評価のために、新しく導入した広告関連度診断の読み方

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従来の関連度スコアから、3つの指標で構成される広告関連度診断へリニューアル

広告出稿では、ターゲットとする層に訴求し得る、品質の高い広告を提供する必要があります。配信プラットフォームは、その広告とターゲットとの関連度を評価する仕組みを用意し、関連度の低い広告には、改善を促すようになっています。Facebookでは、これまで関連度スコアという指標があり、広告とターゲットの関連度を1~10の10段階で示していました。関連度スコアが高いほど、少ないコストで多くのユーザーへリーチできるため、広告出稿者は関連度スコア向上の取り組みを行っています。

しかし、関連度スコアには複数の要因が関わっているので、関連度スコアを改善するのに、どのような対策をとればよいか分かりにくいという課題が指摘されていました。また、関連度スコアを9から10へ上げるといった、実務的に意味があまりないアクションを促しやすいという問題もあります。広告出稿者からすれば、十分なインプレッション数とエンゲージメントが実現できていれば、関連度スコアを意識しすぎる必要はなかったのです。

そこで、Facebookは2019年3月に関連度スコアを、広告関連度診断に置き換えるという発表を行い、3つの指標が新たに導入されました。品質ランキング、エンゲージメント率ランキング、コンバージョン率ランキングの3つとなります。品質ランキングは、ターゲット層が同じ広告と比較した際の感性品質を表しており、また、エンゲージメント率ランキングはターゲット層が同じ広告と比較したときの期待エンゲージメント率を評価します。そして、コンバージョン率ランキングは、 ターゲット層と最適化の目的が同じ広告と比較したときの期待コンバージョン率となります。

3つの指標の組み合わせから、広告のパフォーマンスと取るべき対策を明らかにする

広告関連度診断の興味深い点は、数値ではなく、「平均より上」「平均」「平均より下」といった段階で表現される点です。さらに、「平均より下」の場合は「広告の下位35%」「広告の下位20%」「広告の下位10%」の3段階へ細分化されています。大きな問題がある広告に対し、改善を促し、問題のない広告には過度な最適化を求めないような指標となりました。

広告関連度診断は、その名前が示す通り、広告品質の診断が可能です。3つの指標の組み合わせにより、問題の在り処を推定し、推奨される対策を提示します。例えば、品質とエンゲージメントのランキングが平均より上であるにも関わらず、コンバージョン率ランキングが平均より下の場合、ユーザーに提示された広告がコンバージョンにつながっていないという現象が理解できます。そのため、CTA(コール・トゥ・アクション)を改善したり、購入意向の高いユーザーをターゲットにしたりする改善策が推奨されます。3指標の組み合わせから、それぞれ、原因と推奨される案が定められています。

「平均より下」を「平均」に上げる施策への優先的な取り組みが推奨される

Facebookの新しい広告関連度診断は、Googleが既に導入している品質スコアと似た指標となっています。Googleの場合、推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性といった項目が品質スコアとされています。いずれの場合も、適切なユーザーに対して最適化されたメッセージを提示し、エンゲージメントを高め、アクションを促しているかどうかが問われています。

同じメッセージでも異なるターゲットに提示すれば、得られる効果も異なるため、広告の内容とオーディエンスは組み合わせとして試行錯誤を繰り返さなければなりません。その工程には時間がかかり、知恵を絞らなければならない場合もあります。Facebookの広告関連度診断では「平均より下」を「平均」に上げる方が、「平均」を「平均より上」に上げるより効果が高いとされます。平均より低いランキングになった広告に注力し、段階的な改善を求めていくと良いでしょう。

まとめ

Facebookは広告関連度診断を導入し、品質ランキング、エンゲージメント率ランキング、コンバージョン率ランキングから、広告のパフォーマンスと改善策を評価するようになりました。従来の関連度スコアよりも実務的でアクションにつながりやすい評価方法であり、過度な最適化を防ぐ狙いが見受けられます。

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