なぜ多くの臨床研究は役に立たないのか

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「結局のところ、多くの研究成果が誤りであるだけではなく、正しい成果の多くが価値のない研究になっている。医療は人類の利益に供するべきであり、そうすることができる。医学的効用につながらない臨床研究を行っても意味がないのだ。改革と改善を行う時期に来ている」

 

PLOS medicineが2016年6月に発表した調査報告書(PDF)は上記の結論で結ばれています。医療分野での臨床研究は、再現性や実用性の低さに問題を抱えているのです。以下に、調査報告書の抄訳を掲載します。

 

長期的な視点に立った基礎研究は実用的なインパクトで価値を計るのが難しいが、臨床研究はそれとは異なり、実用性で価値を計るべきだ。健康や治療に対する成果によって評価されるべきで、現実的な視点に立つ必要がある。

臨床研究の有用性を図る指標はいくつか提案されている。

  • 解決しようとしている医学的問題の大きさ・困難さ
  • 新たな解決策が必要とされる背景
  • 新しく得られた知見
  • 患者にとっての価値
  • 投資対効果
  • 実現性
  • 透明性・客観性・再現性

著名な医学論文誌であっても多くの臨床研究は、これらの条件を満たさなかった。全ての条件をクリアした研究は、ごく少ない。つまり、多くの臨床研究は、その成果ではなく、その研究計画の時点で有用性が欠けたものになっているのだ。

価値のない臨床研究が生まれ、増えている理由は既に指摘され、改善の余地がある。PLOS medicineが提案する方法によって、価値のある臨床研究を増やし、同時にコストの削減が期待できる。

 

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