ビジネスモデル創出に関するドラッカーのアドバイスについて考える

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ビジネスモデル解説

既存のビジネスモデルを進化・深化させたところに、大きな機会が拡がっています。技術や経済の変化がその契機になりますが、その変化自体は大局的なものであり、誰にでも公平に見えるものです。その変化に気づき、どう活かすかは、起業家である「あなた」自身のアイデアに依存します。

ビジネスモデル創出の具体的なステップ

一般的に知られたアイデアに、自分なりのアイデアを組み合わせたところに、優れたアイデアが存在します。なぜ自分がその事業をやるべきかを考えてみると、アイデアが湧いてくるかもしれません。

本記事では新たなビジネスモデルを創出するための具体的なステップについて検討します。どんなに優れた理論があっても、行動に移せなければ意味がありません。自分が新規事業を立ち上げるなら、何をするかを考えながら読んで頂ければ幸いです。

アイデアの作り方

ビジネスモデルが実証され、成功を収めた、あるいは成功を収めつつある企業の事業を、少し変えるだけで、新たなアイデアになります。既に実証された部分を応用すると、自分で事業を立ち上げる際に、同じ実証作業を繰り返す必要がないため、事業立ち上げにかかる時間やコストを節約できます。

事業に応用する際には、何に変化を加えると良いのでしょうか。例えば、提供する顧客を変更する方法があります。同じ製品・アイデアでも異なる業界に導入してみると、革新的なアイデアに見える場合があるからです。「Uber for x(○○のためのUber)」というように、様々な分野でシェアリングのアイデアが応用されているのは、この手法が背景にあります。

また、同じ製品でも提供方法を変えるだけで、これまで困難だった課題に対して解決策が見いだせる場合があります。例えば、Adobeの画像編集ソフトウェアのPhotoshopは、売り切り型のビジネスモデルをとっていたものの、プロ仕様の敷居が高い製品だと考えられていたため、利用者の増加に課題を抱えていたと言われます。そこで、ユーザー環境に製品を導入するのではなく、クラウドサービスのビジネスモデルを取り入れたところ、売り切り型よりもコストを最適化しやすい月額課金での提供が可能になり、ユーザー数の増加につながったと言います。

ドラッカーが指摘した「7つの機会」

経営学の大家ピーター・ドラッカーは、新しいビジネスが生まれる要因として「7つの機会」があると語りました。既存のビジネスモデルから新たな事業アイデアを考案する際に参考になる考え方と言えるでしょう。

  1. 予期せぬ成功と失敗を利用する

1000社に3社も成功しないと言われるベンチャー業界では、有名になった企業のほとんどが予期せぬ成功だっと言えるかもしれません。また、大企業がしかけた新規事業が失敗に陥る例も考えられるでしょう。ドラッカーが最も成功確率が高いと指摘したのは、この手法です。

  1. ギャップを探す

理由が分からないものの、あるべき姿と現実が異なってしまう状況に、ビジネスの機会が存在します。誰もが効率が悪いと思っているのに、なぜか続けてしまう事務作業などが該当します。他の業務プロセスで行っている方法を応用すると、ギャップを埋めるヒントが生まれるかもしれません。

  1. ニーズを見つける

顕在化していない人々の欲求を見つければビジネスの種となります。人々はその製品を目にするまでは、自分が何を欲しているのか分からないものです。あるべき姿を提案し、欲求を満たす製品を創造するのは起業家の仕事になります。Airbnbが満たした欲求は、部屋のシェアによる安宿の検索ではなく、地元の人々と知り合う異文化体験だったとも言われます。流行しているビジネスモデルの本質を探り、本当のニーズを探る必要があります。

  1. 産業構造の変化を知る

ある産業が成長するときには、それに付随する産業も拡大し、新しいビジネスの機会が生まれます。自動運転の研究開発が活発になっていますが、それに伴う人工知能、電気自動車、画像認識、クルマのセキュリティなど、様々な関連分野が成長しています。流行りモノに飛びつくのではなく、産業の構造そのものが変化しているのを意識し、参入可能な領域を特定するのが得策です。

  1. 人口構造の変化に着目する

高齢化や過疎化と言ったトレンドは数十年単位で起こるため、予測が容易と言えます。その人口構造の変化によって、人々の暮らしや考え方に変化が生まれ、受け入れられるビジネスモデルにも影響があります。自動運転やロボットが求められるのは、若年層が多い都市部なのか、高齢者の多い地方なのでしょうか。それぞれに異なる要件があり、どちらにも成長の余地があると考えるのが自然でしょう。

  1. 認識の変化をとらえる

製品自体は同じでも、人々の認識が変化していくケースはまま見られます。例えば、優れたサービスが良いとされていた航空業界で、サービスレベルを下げてでも安い方がよいというLCC(ローコストキャリア)が生まれたのは認識の変化によるものでしょう。同様に、サービスレベルを下げたホテル等も受け入れられるようになっています。

  1. 新しい知識を活用する

研究開発の結果得られた業績を元に、新たな製品を創造するのは最も難しい手法だとドラッカーは指摘しています。前述の手法とは異なり、製品とニーズを合致させる作業が必要にならないからです。例え、新たな知識を使ったとしても、提供方法などで実証済みのビジネスモデルを応用すれば、失敗のリスクを多少は軽減できるかもしれません。

さらに、ドラッカーは最も成功確率の低い8番目の機会として「アイデアによるイノベーション」を挙げています。多くの新規事業開発は、これに該当するため、成功確率が低くなってしまうのです。他の手法は体系的な分析が活用できるのに対し、アイデアには論理的なプロセスが存在せず、個人のひらめきに依存してしまいます。例えば、出会い系アプリのTinderは、異性の画像を指で左右にスワイプするデザインを考案し、大きな話題を集めました。このようなアイデアに論理的な背景はほとんどなく、成功確率を高めたり、失敗のリスクを軽減したりする方法はあまりありません。

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