ページビュー数を伸ばしても、ターゲットとする層へリーチできなければ意味がない
ある情報について検索しているときに開いたWebページが、とても短く、求めている情報が掲載していなかったため、がっかりした経験はありませんか？消費者は早く正確な情報を見つけるのを期待し、検索エンジンを利用しています。その期待に応えられなかった場合、購買意欲を高めるはずがありません。
消費者の立場であれば、コンテンツの質が重要なのは言うまでもないにも関わらず、サイト運営者の立場になると、それを忘れてしまうケースが見受けられます。記事を一つでも多く公開した方が、見かけ上のページビューが増加するので、記事の本数をKPI（重要評価指標）と定め、質の悪い記事を量産してしまいます。医療情報サイトが根拠のない記事を掲載していたとして批判を浴びた事例からも分かる通り、質の悪い記事は、閲覧者にも運営者にも害をなすだけです。
自社がターゲットとする見込み顧客が100人サイトを訪問するのと、全く関係ないユーザーが100人訪問するのでは、全く意味が異なります。むしろ、自社がターゲットとしないユーザーは、むしろ遠ざけてしまう方が良いほどです。記事が少なくても、その質が高ければ、コンバージョン率が向上するので、時間や予算を効率的に使えるようになります。商品・サービスを購入してくれる層へのリーチが、コンテンツマーケティング本来の目的であり、最終的に売り上げの向上へつなげなければなりません。
専門性を活かし、質の高いコンテンツを作成すれば、再利用によって投資対効果が高まる
消費者は膨大な量の情報を目にする現代において、その中から際立って目をひくような存在になるには、その専門性を示すしかありません。誰でも分かるようなコンテンツを作成していても、競合他社のコンテンツに埋もれてしまうだけです。始めは難しいかもしれませんが、知恵を絞って、自社が他よりも専門性を示せるニッチな分野を見出し、ターゲットとする層へリーチする試みが求められています。
質の高いコンテンツが作成できれば、その見返りは確かなものです。評判を高め、ブランド認知の向上に寄与する期待が持てます。見かけ上のページビュー数や、ソーシャルメディアでシェアされる数は少ないかもしれませんが、ニッチな層に評価されていれば、その業界の中では、拡散されていく可能性があります。また、評価の高いコンテンツは、電子書籍やオンラインセミナーなど、フォーマットを変え、様々な展開に応用できるため、投資対効果が高いのも特徴です。
最近では、人工知能が驚くべき速度で定型的なコンテンツを量産できるようになりました。米ワシントン・ポストは、人工知能が一日に1000件もの記事の草稿を作成し、人間が確認した上で公開していると言われています。コストが安いからといって経験の浅いライターに依頼するよりも、人工知能の方が効果的にコンテンツ作成ができる時代がやってくるでしょう。人間が注力するべきなのは、見込み顧客が求める情報を分析し、それに合わせた質の高いコンテンツを届けることに他なりません。
ユーザーが情報を欲する文脈を理解し、ユーザー体験の向上へコンテンツを役立てる
ユーザー体験は、購買意志決定に影響を与えると言われています。Webサイトを訪問した際に、必要な情報を適切なタイミングでもらさず提供すれば、ユーザーは使い勝手の良さを覚え、購入に至る可能性が高まります。購入を後押しするのがコンテンツであり、ユーザーの欲している情報に応えるような質の高いものでなければ、その効果は期待できないでしょう。
ユーザーが求める情報はその文脈によって異なります。問題を認知する、解決策を探す、特定のブランドについて調査する、比較検討する、購入手段を調べる、サポート情報を探す。各局面によって違ったニーズがあり、それぞれに求めるコンテンツを用意するべきです。
主要なキーワードに絞ってコンテンツを作成するとページビュー数は増えるかもしれませんが、顧客の求める情報を網羅しているとは言えません。商品に関する不安を解消したり、欲求の喚起・情緒的価値訴求をしたりと、ユーザーが求めている情報を幅広くとらえ直す戦略が求められています。
まとめ
コンテンツは量より質が重要だと頭では分かっていても、誤ったKPIを設定してしまい、間違った方向に事業が進んでしまう場合があります。優れたコンテンツを作成するのは、質の低いコンテンツを量産するより難しいものです。しかし、コンテンツマーケティングで成果を上げるには欠かせないものだと理解するようにしましょう。
