人工知能のおススメ書籍!文系でも理系でも本質とトレンドを抑えられる良書7選

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CTOの視点

人工知能は身近な機器でも使われるようになり、今後の産業を大きく変える可能性も指摘されています。一方で、人間の仕事が奪われる、人工知能が人間の知能を超えるといった脅威論も聞かれます。人工知能の可能性と限界を正しく理解し、キャリア設計や学習計画を検討するのは、文系・理系問わず必要な取り組みなのではないでしょうか。本記事では、人工知能の歴史や技術を知り、社会への影響を解説した良書を紹介します。

人工知能は人間を超えるか

人工知能の入門書としては決定版的な存在です。人工知能研究で知られる東京大学准教授の松尾豊氏が執筆し、その分野の歴史や社会への影響を解説しています。過去にブームになった研究の限界や、現在のAIブームとの違いを、平易な例えを通して理解できます。機械学習やディープラーニングといった専門用語の理解を助けてくれます。また、人工知能が人間の知能を超える「シンギュラリティ」や人工知能脅威論についても専門家としての見解を示してくれます。人工知能に興味を持った人、全てに推奨できる一冊です。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

「AIは東大には合格しないが、MARCHの合格レベルには達している」人工知能プロジェクトを率いた新井紀子氏が執筆した本書は、人工知能ができることと、できないことを明確に示してくれます。論理・統計・確率の分野に強い人工知能は、2011年のプロジェクトにおいて、有名私立大学や国公立大学に合格できる程の成績を収めました。一方で、過去問を収集して学習した人工知能には応用力がなく、東大に合格する程の学力を持ったり、さらには、人間の人智を超えたりするのは、現段階では難しいと指摘されています。

興味深いのは、人工知能研究と共に行われた、学生の読解力調査です。簡単な文章も理解できない学生が極めて多く、人工知能がデータ処理を担当するようになるであろう未来で、読解力さえも持たない人間がどう生きていけるかという問題意識を提示します。

人工知能が何であるかを知りたい人、今後のトレンドを知りたい人にはお勧めできる、売れ筋の本です。

人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質

将棋やチェス、囲碁といった定型的なゲームでは、既に人工知能は人間のチャンピオンを越えてしまいました。本書では現役の将棋名人に公式戦で勝利した人工知能「ポナンザ」を開発した研究者が、同プログラムを開発するまでの工夫や努力を記しています。機械学習やディープラーニングの概念を具体的な例から理解するのに役立ちます。人間を超えるプログラムを開発した経験から、知性とは何か、人間と人工知能の違いとは何か、人工知能へどう向き合っていくかについて考察がなされました。

将棋と関連して、Googleディープマインドが開発し、囲碁のチャンピオンを打ち破った「アルファ碁」についても興味深い議論がなされています。「最強囲碁AI アルファ碁 解体新書 増補改訂版 アルファ碁ゼロ対応 深層学習、モンテカルロ木探索、強化学習から見たその仕組み」に詳しく解説されています。

先進的な技術を具体的な例から触れて見たいという人におススメです。

人工知能システムのプロジェクトがわかる本 企画・開発から運用・保守まで

人工知能はビジネスの現場で使われる事例が増えてきており、その知見も増えつつあります。NECで豊富な経験を積んだ筆者が、システム開発者、いわゆるSIerの視点から、上流工程から下流工程まで解説しました。通常のシステム開発と人工知能システム開発の違いをふまえ、現場のノウハウを知れるのはユニークな点です。付録として提案書や提案書・要件定義書が添付されているのも評価を高めます。

システム開発はSIerに丸投げできるものではなく、発注側にも正確な知識が必要です。本書でも、機械学習に詳しくない人の期待値をコントロールすることについて記載されています。発注する側にある担当者は、本書と合わせて、「人工知能システムを外注する前に読む本~ディープラーニングビジネスのすべて~」を読むと良いでしょう。

人工知能プロジェクトを新しく始める企業の担当者が本書の対象となります。

データサイエンティスト養成読本 機械学習入門編

エンジニアや分析担当者が機械学習プロジェクトを新たに始めるには「データサイエンティスト養成読本」がおススメです。2015年発売ではありますが、機械学習入門編はプログラミング技術やアルゴリズム、ビジネス応用について理解を深めます。特に、Pythonを用いた機械学習、画像認識、推薦エンジンについて環境構築からライブラリの導入、サンプルコードまで分かりやすい解説が掲載されています。

同シリーズは「改訂2版 データサイエンティスト養成読本 [プロになるためのデータ分析力が身につく!]」「データサイエンティスト養成読本 R活用編 Software Design plus」「データサイエンティスト養成読本 登竜門編」等が刊行されました。プログラミング言語や自身の経験に基づいて、最適な書籍を選ぶことができます。

人工知能やデータ分析、機械学習のプロジェクトに参加したい、参加し始めたエンジニアにお勧めです。

仕事ではじめる機械学習

仕事で機械学習プロジェクトを行うには、ビジネス面だけ理解していても、アルゴリズムだけ知っていても十分ではありません。ビジネス上の目的を達するために、最適なデザインを行い、求める結果を得る必要があるからです。そのギャップを埋めるための技術書が本書です。

第一部では、どのようにデータを収集し、アーキテクチャを構成し、予測モデルを選択し、効果を検証するといった実務に必要な考えを検討します。第二部は映画の推薦システムを題材とした、具体的なシステム開発の解説です。

本の紹介にある「上司に「人工知能でいい感じの成果を出してくれ」とあいまいな指示をされたとき、本書で学んだことが活きてくるに違いありません」という文言が印象的です。翻訳本の多いオーライリーのシリーズの中で、本書は日本人の著者が執筆しています。

オーライリーは、より技術的に理解を深めたいエンジニアを対象にした本を多数発売しています。「Pythonではじめる機械学習 ―scikit-learnで学ぶ特徴量エンジニアリングと機械学習の基礎」「実践 Deep Learning ―PythonとTensorFlowで学ぶ次世代の機械学習アルゴリズム」「Pythonによるデータ分析入門 第2版 ―NumPy、pandasを使ったデータ処理」などが代表的です。

人工知能プログラミングのための数学がわかる本

文系からSEになったため高度な数学を学んだ経験がない人や、プログラミングを生業にしていても数学が得意でない人は、意外と多いものです。本書は人工知能の開発に必要な点に絞り、そのアルゴリズムを理解するのに必要な理論を、中学・高校数学から振り返ります。そして、微分・線形代数・確率といった大学レベルの数学を網羅した上で、実践編として価格推定・自然言語処理、画像認識といった課題へ進みます。

実践編のサンプルコードはGithub「実践編Pythonコード」にて無料公開されています。手を動かして学びたい人には願ってもない一冊です。

さらに、本書の著者は、データ解析の研究・実務経験を基に、オンラインで人工知能プログラミングが学べるサービス「Aidemy」を創業した研究者です。人工知能の時流に合わせ、2017年の創業後、正式公開後10日で10万回以上の演習回数を記録したと言います。本書で勉強した後は、Aidemyのサービスを利用すると、人工知能プログラミングに関する理解がより深まるでしょう。

仕事や勉強で人工知能を専門にしたいと考えている人にとっては必携の一冊です。

まとめ

人工知能が生活のあらゆる場面で見られるようになり、一大産業へと変化しつつあります。トレンドを理解したい、あるいは、これから人工知能エンジニアとして一旗揚げたい、といった色々な人がいるでしょう。その目的に合わせ、ビジネス寄りの本から、技術向けの本まで自分に合ったものを選択すると、満足度が高まります。

みんなのAI講座 ゼロからPythonで学ぶ人工知能と機械学習

オンライン学習プラットフォームUdemyでも、人工知能を解説するコースが公開されています。本コースは、プログラミング言語Pythonを使って、人工知能・機械学習を作成する方法を学びます。高度な数学を扱わないのが特徴です。


みんなのAI講座 ゼロからPythonで学ぶ人工知能と機械学習
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